羊は世界中で飼育されていますが、中でもオーストラリアは世界を代表するウール生産国です。その飼育の大半は「メリノ」という種類の羊であり、日本に輸入される羊毛の約80%はこの種で占められています。
メリノ種はより多くの毛を採取する目的に、皮膚面積が多くなるように作られた品種です。不自然に皮膚を伸ばしているため全身に深い皺があり、暑い季節は毛の重みに耐えられず病気に罹り死んでしまう羊もいます。
臀部の皺には糞尿が溜まりウジが湧きやすいので、発生を防ぐために行っているのが、野蛮な「ミュールシング」と呼ばれている方法です。
羊たちは金属の棒の間に手足を差し込まれ、なんと肛門まわりの「皮膚と肉」を削ぎ切られるのです。この処置にはしばしば鎮痛剤は使われず、痛みと流血の止まらない傷口はなんの手当てもされません(※生後間もない子羊たちは無麻酔で尾を切り取られ、オスは去勢される)
"ウールは毛皮と違って毛だけ刈るから動物に優しい"これは消費者の誤解でした。実際に生産に立ち会った人は「羊毛狩りは動物虐待の最悪のケースの一つに違いない」と述べています。
老いて羊毛の生産が衰えると羊たちは利用価値がなくなるので中東・北アフリカ(動物福祉の無い国
)へ生きたまま送られます。
30度を超える苛酷な天候の中、何週間も何ヶ月もぎゅうぎゅうに船に詰め込まれ、屠殺場ではまだ十分意識があるうちに
喉をかき切られ、殺されていきます(宗教の戒律「ハラール」により動物を気絶させずに意識のある状態で殺す)
※ミュールシングはニュージーランドでも行われていましたが2007年に廃止されました。オーストラリア羊毛産業は、動物保護団体からの批判を受け2010年までの廃止に合意していましたが、09年に代替技術の遅れを理由にその約束を撤回しました
提供:PETA『Australia's Secret Shame』
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