狂犬病とは?

犬猫,人間,他全ての恒温動物に感染するウィルス性の病気。主に動物に噛まれることから感染し、潜伏期間を経て発症する(およそ1〜3ヶ月程度、中には数年のケースもあり。動物の場合は人間より早く発症する)主な身体的症状は、風邪に似た症状、傷口の痛み、液体を飲むと痙攣を起こす(恐水症状)、興奮、麻痺、筋肉の痙攣など。発病率は動物との接触状態に左右され、頭頚部や顔面の咬傷では50%,手足等の咬傷では30%,衣服の上からの咬傷では10%程度とされている(他、傷の大きさやウィルスの量でも変動する)一度発症すると治療方法はなく、死亡率はほぼ100%と言われているが、大半は噛まれた後に直ちに傷口を洗浄・消毒することで発病を防ぐことが出来る。

日本においては昭和25年に『狂犬病予防法』が施行され、犬の登録と毎年の狂犬病予防注射(※)が飼い主の義務となった。狂犬病は昭和32年以降日本では発生していないが、近隣諸国では狂犬病がまん延しており、日本への侵入リスクは皆無では無い。近年我が国では外国産の野生動物の輸入・密輸数が急増していることから、狂犬病ウィルスに感染している動物が海外から日本へ持ち込まれる可能性がある。狂犬病対策は輸入動物の検疫を強化するなど、輸入の際の水際対策が最も効果的だが、オーストラリアのように野生動物の輸入自体を禁止することこそ、根本的な解決策と言えるだろう。

(猫について)狂犬病が一般的な国では犬以外の動物(猫)にも予防接種を義務付けている。日本の場合、猫は他の哺乳類に感染させる媒介者となる確率が低い事から今のところ犬のみとしている。
(※)オーストラリアとニュージーランドではワクチンの副作用で犬が死ぬのを防止するため、予防注射を法律で禁止している