欧米諸国では、科学的側面から動物実験に疑いの声を上げ始めた医師や科学者もいます。 ▼医師からのメッセージ▼ 1000人の医師の証言 医師らは動物実験の問題点を以下の様に指摘しています。実験ではまず、人の病気と同じような状態を再現するため、動物を特定の病気にすることから始められますが、その様な不自然な状態での発病は、人間の発病原因とは大きくかけ離れています。また、人間に猛毒である砒素はヒツジには平気であったり、人や犬には猛毒のストリキニーネはモルモットには全く無害である等、人間と動物では薬物による反応が異なるので、動物実験で得られたデータを人間に適用するのは根本的に誤りであるといえます(飼育環境やストレスによってもデータは大きく変動する) 一般に動物実験は人のため、医学のために必要と主張されますが、動物にもたらす苦痛の大きさを考えても限りなく縮小されるべきであり、無くなることが望ましいものであるに違いありません。私たち自身の身近な問題でもあるからこそ、研究者だけの閉鎖的なものとするのではなく、もっと社会に問われていく必要があるでしょう。 |
動物実験に対する批判が世界的に高まるにつれ、代替法(動物実験に替わる方法)として培養細胞などを用いた研究が盛んに行われるようになりました。海外での代替法への評価は高く、教育の現場においても自然死した動物を使う・コンピューターや模型モデル、ビデオで学習する等、代替法の促進と普及が図られています。 一方、日本では近年の法律改正(動管法)で初めて動物実験の基準についての理念、3R(苦痛の軽減、数の削減、代替法の使用)が盛り込まれましたが、行政の代替法への理解は浅く、動物福祉についての関心も薄いのが現状のようです。代替法は倫理的に優れているだけでなく、研究にかかる費用や期間を大幅に削減出来るなど多くの利点を持ちますが、代替法を動物実験の代わりとするのには限界もあります。私たち人間は物質的な豊かさを追求するあまり、罪の無い多くの生命を苦しめてきました。他の問題と同様、動物実験も決して「仕方がない」で済まされる問題ではありません。現代社会に生きる私たち一人一人に意識の変革が求められています。 地球や動物を思いやる心を取り戻し、心の豊かさを大切にする新しい価値観へと目覚めていくことが、動物実験の要らないライフスタイル、延いては社会に繋がっていくものになるはずです。 |
日本には動物実験を規制する具体的な制度を定めた法律がありません。誰がいつどこでどんな実験を行っても法的に裁かれることは無い為、研究室という密室の中で行われる実験に対し不信感を抱いてしまうのは当然の事だと思います。イギリス・オランダ・ドイツ・オーストラリア等では、化粧品のための動物実験は法律で禁止されており、医学研究においても厳しい法規制があります(実験者の免許制度、実験計画の許可制度、機関の監視制度etc)少しずつでも動物の犠牲を無くしていくためには、まずは日本でも情報の公開とそれに基づく一定の制限を設ける事が必要です。 |
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