動物実験とは?
人では行えない実験を動物で試して、その結果を人間に適用しようというものが動物実験です。言葉を話せない、恐怖や痛みを訴える事の出来ない動物たちが人間の身代わりとされ苦しんでいます。「動物実験」という言葉は聞いた事があるけれど、具体的にどのようなものなのかは知らない…という人が多いと思いますが、動物実験は誰一人として無関係でいられるものではありません。 動物実験の実態、そして日々の暮らしがどれだけ動物の犠牲と関わっているのかを私たちは知らなければならないと思います。
どの様な実験か
単回投与毒性試験
化学物質の毒性を調べる実験(医薬品、食品添加物、農薬、塗料、化粧品、シャンプー、台所・洗濯用洗剤、 トイレタリー、抗菌スプレー、おもちゃ等)1群5匹以上のラット(げっ歯類)とイヌ(うさぎ以外の非げっ歯類)を絶食させたうえで強制的に化学物質を投与し、 毒性の徴候や致死量を調べる。期間は通常14日間とし、終了後生き残ったものも全て解剖する

皮膚刺激性試験

化学物質の皮膚への影響を調べる実験。ウサギ、モルモットの背中の毛を剃り皮膚に損傷を与えた後、その部分に2週間試験液を塗布し、皮膚の状態を経過観察する

眼刺激性試験(ドレイズテスト)

眼に試験物質を点眼し、その刺激や腐食性を調べる。ウサギは眼を手足でこすらないように、頭だけが出る拘束器に入れられ72時間経過観察される。あまりの痛みから暴れ、首の骨を折って死んでしまうものもいる

医学研究

生体の機能や構造を知るために動物の体を切り刻んだり、人間の病気の原因や治療法を究明する目的でがん、高血圧、糖尿病、皮膚病など人の病気と同じ症状を持った動物(疾患モデル)を人為的に作り出す

脳研究
ネコやサルの脳に電極を差し込み電気刺激を与える。または脳の一部を破壊し、その行動の変化を調べる実験など、近年では脳の働きに対する科学者の関心は高まり、脳機能と行動の関連性を調べるなど生理心理学を基盤とした脳研究が盛んに行われている

心理学の実験
人間の精神(心)を解明するために動物の心理や行動を実験や観察によって研究する。産まれて間もない子猿を母親から引き離し隔離する実験や繰り返し電気ショックを与え心理的影響を調べるストレス研究など、実験は無意味で残酷なものが多い

動物はモノではなく人間と同じように喜びや悲しみという感情を持ち、心身の苦痛や恐怖を感じる生き物です。私たちが自分を大切にするように、動物たちにとっても一番大切なものは『たった一つの自身の命』なのだということを私たち人間は忘れてはいないでしょうか…
便利なものには裏がある
生活の裏に隠されたおびただしい動物の死…動物実験について考えることは自身のライフスタイルを見直すきっかけになるかもしれません。私たちが日常的に使うものは動物実験をしなければいけないほど危ないものなのでしょうか。 動物実験の実態を見て頂いても分かるように、実験の多くは成分の危険性を調べる為のものであり、その結果を元に改良していったものを製品に使用するわけですから、それが「安全である」とは断言できるはずはありません。石油化学物質は合成が簡単でコストも低く、多量に生産出来るという理由から戦後、石油化学の急速な発展に伴いガソリンや農薬、食品添加物や医薬品、私たちが毎日使う洗剤や化粧品・シャンプーにまで幅広く使われ出す様になりました。化学製品は私たちの生活を便利にするものでもありますが、反面、危険な側面も持ち合わせています。 数ある化学物質の中には生体に有害な影響を引き起こすものもあり、化学物質の体内への蓄積が人体に深刻な影響を与える可能性が懸念されています。これらの化学物質が使われるようになってからまだ年数は浅く、今後将来的に渡り人体や環境にどのような影響を与えていくかは、はっきりとは分かっていません。 現在使用される化学物質は動物実験というフィルターを通し、私たち自身が日々人体実験をしているようなものです。そして、私たちが安全性をないがしろにし、利便性のみを求め続ける限り、このような成分はこれからも開発され続けていくのです。

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