死体となる動物たち
現代人の食生活と切り離せないものと化している牛肉・豚肉・鶏肉ですが、私たちはこれらがどのように生産されているのかを全くといっていいほど知りません。スーパーの食品売り場では切り身となりきれいにパックされた肉が陳列されています。このため消費者の目に「食材」としか映らないのは当然のことなのかもしれません。切り身になった肉はその正体である畜産動物の存在を掻き消してしまいます。だからこそ私たちは、最も残酷な部分を隠して食卓に提供される肉の真実を知らなければなりません。毎日口にしている肉が食卓にあがるまでの一部始終を見る機会があれば、私たち消費者は実感をもってそれが「動物の死体の一部」であることを知るでしょう。肉を作るためには動物を肥育し、最後には殺さなくてはなりません。その隠された生産過程を知ることはとても重要です

●近代畜産の実態
家畜と呼ばれる動物たちは世界の多くの畜産場において一生涯過酷な生活を強いられた上で、肉となるためにと畜場へと輸送され殺されています。畜産動物が辿るその一生は私たちが想像するよりはるかに過酷なものへと変わり、広大な牧場ですくすくと育つイメージはもはや現実のものではありません。コストを削減するためにほとんどが経済的効果に重点を置いた工業畜産による経営を行い、常に過密状態の中で育てられるのです。家畜という名に生まれついた動物は経済動物としてしか扱われません。ペットの犬や猫にすれば虐待行為とみなされることが、家畜動物には平気で行われています(無麻酔での去勢・尾や嘴の切断など) 一生の大半は隔離・拘束された狭い檻の中であり、不自然な飼料によって無理に太らされる生活はどんな動物でも耐えられたものではありません。毎日のストレスから心身はボロボロとなり、出荷前にはほとんどの個体が何らかの病気を患っています(メスの一生は更に過酷なもので、短期間に交配・妊娠・出産を繰り返すことが農家にとって重要な課題とされている)そして、彼らにとって解放されることは「死」を意味し、最後は屠殺−肉を解体する工場で体をバラバラにされる運命にあります。これらの動物達は、出荷前には食欲がなくなり屠殺場に連れて行かれる時には必死の抵抗をみせ涙を流す事さえあるといいます。しかし、牛や豚や鶏が悲しみと恐怖を人間と同じように感じる動物だということを認めてくれる者は存在しません。屠殺場でも機械的に処理されるだけであり、当たり前のように麻酔や安楽死は望めません。
どの様に殺されるのか
屠殺の方法は、前頭部への打撃あるいは電撃や炭酸ガスによって昏倒させたあと首の動脈を切断し、両後肢の飛節に通した鉄棒で吊り上げ放血させるという手順で行われていますが、途中で意識を回復した個体がいても当然のように作業は中止されません…この場合、生きながらにナイフで喉を裂かれ、その壮絶な痛みと苦しみの中での失血死となります。スタニング(失神)工程は苦痛を考慮してこのような処置を施すのではなく、作業員が怪我をしないための安全性と肉質を確保するために行われている様です。鶏は体が小さいためにスタニングは省かれます。 吊るされた後、意識のあるまま首を切られ、熱湯に浸けられる…こうした流れ作業の中、半殺しの状態で息絶える地獄の苦しみはあまりにも想像を絶するものです(身をもった動物たちにとって、それはどれほどの恐怖と苦痛でしょうか?)自然農法で育った動物でも屠殺のやり方は同じです。苦痛を伴わずに殺す方法など存在しません⇒「肉は感謝して食べます」と言う方はこちら
さらに詳しい畜産動物の一生
日本の屠殺場レポート

動画ダウンロード
下記より実際の映像をご覧になれます。ぜひ多くの方に見てもらいたいです


この豊かな国に住む私たちは、食を「選択」できる立場にいます。肉は生きるための最低限の食ではありません。肉や卵、牛乳などの動物性食品は全くなくても健康に生きていけるのです
菜食への道
ここまで真剣に読んでくれたあなただからこそ、今日からできることがあります。 肉食を止めることは、ほかの食材を食べるということ。魚介類も痛覚のあることに変わりはなく、健康被害や汚染の問題も付き物なので決しておすすめはできません…何も動物を食べる必要はないのです。野菜や穀物・豆類・海草など私たちが食べるものは豊富にあります。私達の住んでいる日本は有り難いことに和の食材に恵まれていますし(納豆や豆腐は日本が誇れる最高の健康食!)ベジタリアンと呼ばれる人達はこれらを食物として生きています。様々な植物性の食材を組み合わせればタンパク質は勿論のこと他の栄養素もしっかり補給できることは科学的にも実証されているのです⇒植物にも命はあるよ?と言う方はこちら

ベジタリアンと聞くと宗教を連想する方も多いですが、違う意味で菜食を実践している人が最近増えてきています。理由は様々ですが、自分の生き方を見直し、これからは自分の信念に沿って真に人間らしく、健康的な生き方を貫く決意をした人たちです(ベジタリアンの語源は野菜のベジタブルからではなくVEGETUS。ラテン語の「健康で活力のある人」という意味なのです) 『食の選択』を始めてみませんか?いきなり肉を絶つのが難しいならば買う回数を減らすなど、出来ることから始めてください。そして動物原料を使わない料理を少しずつ増やしてみましょう(牛丼やステーキは難しいですが、カレーやスパゲティ、ハンバーグや餃子などの定番料理も肉無しで作ることができます!⇒菜食レシピを覗いてみる

TVは毎日のようにグルメ番組を放送し、芸能人は美味しそうに肉を頬張っていますが、この人たちは自らの無知をアピールしているようなものです。大勢の人がしていること=正しいことだとは決して限りません。日本はあらゆる面で遅れているのです。海外には多くのベジタリアンが存在します(有名な映画スターからスポーツ選手まで実に多くの著名人が菜食を選択しています)一人一人の力は小さいですが、踏み出す一歩はこれからの未来を大きく変える力となります。まだ何も知らない家族や友人へ真実を伝えることも、あなたにできる大切な役割ではないでしょうか。


☆動物性食品の摂取を止める、または減らす(肉・卵・牛乳等。一人がベジタリアンになれば、年間80頭の動物が屠殺されずにすむ
菜食への道
グッツで菜食をアピール!
☆購入する食材に興味をもつ
(原材料・添加物表示をチェック。お菓子にもポーク・チキンエキス・豚の皮を原料とするゼラチン等がよく使われている)
☆皮製品を使用しない・化粧品は必ず成分をチェック(プラセンタやヒアルロン酸、コラーゲン等の美容成分は豚や鶏から抽出されている)
☆本を貸すなどして多くの人に動物性食品の害を教える(冊子・チラシ配布はこちら)
☆動物問題について詳しく知る
図書資料
☆動物保護団体を支援する
日本の動物保護団体